いきなりですが、仕事で質問されることは怖くないですか?
私は、レビューやプレゼンの後の質疑応答が大の苦手です。言うことを言ったらさっさと退室したいです。なぜ苦手かと言うと、私の専門分野で上手に答えられなかったら恥ずかしいし、答えられないことでプレゼンが台無しになることもあり得るからです。
そもそも、なぜ答えられないのでしょうか? 少なくとも、その分野では自分が一番知っていて、誰より詳しいはずなのに・・・。知識や経験ではなく、他に原因があるのではないか?
その原因を探るために学んだ書籍がこちら。
『 ゼロ秒思考
ーー頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング 』
赤羽 雄二(著)
本記事は以下のような人に向けて書いています。
- 質問されることへの恐怖を払しょくしたい
- 質問に即答できるようになりたい
- 頭の回転を速くするトレーニング方法を知りたい
ゼロ秒思考術トレーニングは『メモ書き』
結論から言うとメモ書きで質問対策が可能です。
それもとてもシンプルで時間もかからないメモ書きです。そんなことで良いの?と私も思いましたが、シンプルだけどやってみると奥が深い。最初は意外と書けないことがわかります。少しショックを受けますが、徐々にできるようになると楽しくなります。
では、この メモ書きと質問に即答できるがどう関わっているのでしょうか?
まず、質問の怖さはどこにあると思いますか? 私が思うに、
これが主な原因ではないかと。
では逆に、相手の質問する内容がすべてわかっていたら? あらかじめ答えを準備できるので全く怖くありませんよね。現実的には超能力でもない限り事前にわかることは不可能ですが、予測することができればかなり恐怖が軽減できると思います。
では、予測するにはどうすればよいのか? ここで メモ書き の出番です。
私を含めてたいていの人がそうだと思うのですが、プレゼンの内容や質問の想定を頭の中でイメージトレーニングしていると思います。この頭の中で考えているだけでは不十分で、これをしている限り恐怖に打ち勝つことができません。
手を使い考えを書き出すことで、思考を整理することができます。頭の中だけでは、考えが浮かんでは消えていくので十分な整理ができません。考えを書き出せば文字で視覚化することで抜け漏れなく整理することができます。
これは実践してみるとわかります。手を使い書き出すことで、次々と考えが浮かんできて、思考の広がりを体感できます。結果無駄な考えであってもとにかくすべて書き出します。この思考の広がりが重要で、質問者の思考まで広げることができれば、質問の内容を想定することができます。
私は紙とボールペンをすぐに使えるようにデスクに配置しています。PCを使うよりも手書きがおすすめです。手を使う方が運動性記憶で頭に残ります。さらには、図や絵で表現することも可能で、素早く整理することができます。綺麗に書こうと思わないことが大切で、とにかく思考を広げることに集中します。
会議、プレゼン、レビューの成功はすべて準備で決まります。それらに臨む前に、メモ書きで頭の中を整理します。このときはどうする?こんなことが起きたらどうなる?これはなぜ?あれはなぜ?と自問しながら文字化していき思考を広げていきます。
このメモ書きトレーニングを実施することで、ある程度の想定ができるようになりました。ただし、完璧に予測できるというわけではありません。予測しきれなかった質問は、次に活かすために吸収します。これを繰り返すことで精度の良い予測ができるようになりました。
まだまだ、質問されることに苦手意識はありますが、今では逆にどんな質問がでるだろうか? そんな考えもあったか! など、少し楽しみに感じるようになってきました。
それでは、具体的なメモ書き手法を知りたい方は、引き続き本記事をご覧ください。
書籍の概要
思考を言語化する
考えや気持ちは言葉にできます。
まずは一つの課題に対して、
自分の考えや思っていることを「言葉にして書く」ことから始めます。
とにかく言葉にして書く!思いつくまま書く!
誰に見られることもないので、きれいに書く必要も無く遠慮も不要です。
普段は人に言えない感情や想いを吐き出してみます。
乱暴な言葉になってしまっても構いません。
人の悪口も愚痴も言いたくないとか考えず、
自分の気持ちをただ正直に書きます。
人には見せる必要も無いし、むしろ見せないでください。
トラブルのもとになるので(笑)
例えば、
- 朝から気分がすぐれないのはなぜか?
- 職場で上司に言われたあの言葉が気になるのはなぜか?
- この仕事を担当することに決まって高揚しているのはなぜか?
など、自分の感情や想いを書き出してみます。
ポイントはあれこれ言葉を考えず、思うままにすばやく書いていきます。
これが意外と最初は書けません。
普段の生活で思っていることや自分の感情を、言語化することは意外と難しく、
普段いかにあいまいに考えては消えていっているかが体感できます。
こういったモヤモヤイメージや感覚をはっきりと言語化できるようになれば、
きっと苦労せず自分の考えや想いを表現できるようになるのでは?と思えます。
はっきりと言語化して表現できるということは、それだけ相手に伝わりやすくなり、
逆に相手のモヤモヤイメージも言語化して聞き取りやすくなります。
浅い空回り思考を避ける
しっかり考えたつもりでも、相手から質問されると返答に詰まることはありませんか?
それは考えが浅く、表面を軽く触って終わりにしている状態です。
あれこれ考えているつもりでも、
深い部分には到達できず、表面上を思考が空回りしてしまい、
結局のところ最初の地点からほとんど動いていない・・・
これは課題に対して、本質が捉えられていない状態です。
やりたいことは、
課題に対して選択肢をあげつくし、深く考え抜き解決策を見出したい!
それを解決するのがメモ書きトレーニングというわけです。
頭の中でひたすら考えているつもりでも、
思考が浅く空回りしていては時間の浪費です。
すべて書くことで空回りによる堂々巡りがなくなります。
そうすることで課題が見えやすくなり、少しずつ全体像がわかってくるようになります。
そして、体系化しやすくなります。本でいう目次ができるようなイメージです。
全体像が分かれば、課題の本質や論点がわかるようになります。
どこが考えとして足りないか、どこが整理できていないか、ストーリーが描きやすくなります。
ゼロ秒で考えるとは?
時間をかければ、よい結論がでるとは限らない。
時間をかければ、考えが深まるとは限らない。
確かにそうですよね。
でも仕事した気にはなりますが・・・
課題に対して瞬間的に答えが得られたら最高ですよね。
ゼロ秒思考とは、思考の質とスピードの到達がゼロ秒であること。
嘘みたいな話ですよね。
でも、自分が得意な分野だと、一瞬で意思決定できることってありませんか?
自分が得意な分野で課題が出たとき、
任せろ!という気持ちで解決策を提示したことありませんか?
つまり、自分が得意な分野はいつも考えているから情報が整理されており、仮説などもシミュレーションしたり、問題の本質をとらえやすく、解決策とメリット・デメリットがすぐわかる状態になっているといえます。
ということは、
得意な分野に限らず、あらゆることを言語化して考えるようにしておけば、
ゼロ秒で答えが得られるということになります。
これが出来ないのは、
トレーニングが足りていない、
もしくはそのやり方がわからないからです。
メモ書きのやり方
具体的なメモ書きのやり方です。
頭に浮かぶ感情や考えを即座に書き出します。
そうすることで頭が訓練されていきます。
具体的には、
- A4用紙を横にして1ページにつき1件の課題とする
- その課題に対して、4~6行思いつくままに書き出す
- 各行20~30文字くらいで一文を書く
- 1分で書く
- これを毎日10件、つまり10分程度行う。
フォーマットは以下のように、題名と題名の下に下線、日付、各行の初めにーを書く箇条書きです。
ポイントは一枚1分と時間をかけないことです。
深く考えず思いつくまま書き出します。見返して整理するのは後でいくらでもできます。
新品のノートやルーズリーフではなく、使用済みの裏紙を使ってどしどし書くことです。
これを習慣にして3週間1か月たつと言葉がどんどん浮かぶようになり、
数か月続けるとゼロ秒思考に近づけるとのこと。
メモ書きやってみた
仕事上の課題は難しいと思ったので、最初は簡単な課題から始めてみました。
自分の感情や身の回りの出来事、他人の観察などをテーマに思いのまま書き出しました。
最初はどう書こうかとか考えてしまいます。
何も気にせず自分が読めるくらいの字体で、考える前にとにかく書く!書く!
毎日10ページ10分を1週間、2週間と続けると慣れてきました。
正解とか無いと思いますが、これで良いのか不安になることもありました。
最初はムカつくとか腹立つとか、ネガティブなことが多かった気がします。
次第に何枚も書いていると、次第に落ち着いてきて前向きなことも書けるようになりました。
自分の気持ちや人間関係について書くと、ストレス発散になっているのかなと感じました。
ゼロ秒思考になれるか自信はありませんが、書き出すことで得るものは多いと思いました。
今では、意識することなくメモ書きするくらいに習慣化したいと思っています。
まとめ
頭の中に浮かぶ考えや感情を言語化してメモに書きだすことで、
ゼロ秒思考を身に着けるという内容でした。
すぐにできるようになるものではなく、
少なくとも数か月はトレーニングしなければなりません。
そして毎日繰り返して習慣化する必要があります。
実際にやってみると、最初こそ難しいですが段々と慣れて楽しくなってきます。
ゼロ秒思考に到達できなくても、書き出すことで恩恵が確かにあります。
問題点が何なのか、どこが考え足りないのか、全体像はどうなるのかがわかります。
あとは自分の感情や何を気にしているのかもわかり、
本音はこうなんだな、こうしたいんだなどがわかり、
人間関係や家庭のことなど、少し前向きに考えられるようになった気がします。
トレーニングと言うと敷居が高く感じますが、
とても簡単なメモ書きなので癖づけて習慣化してしまえば、
なんの苦も無くできると思います。
とにかく、フォーマットとルールを守ってとにかく書いてみることです。
本記事では、本書のごくごく一部の紹介となりましたが、
もっと深く知りたい、メモ書きの更なる応用法を知りたいという方は、
是非本書をお手に取って読むことをおすすめします。