40代・50代で転職を考えると、

「年齢が上がると、面接では何を見られるのだろう」

と不安になることがあります。

技術力。

経験年数。

マネジメント経験。

実績。

もちろん、どれも大切です。

ただ、実際に採用する側になって感じたのは、

経歴書に書いてあることだけを見ているわけではない

ということです。

この記事で書くのは、

あくまで私自身が中途採用の面接官として見てきたことです。

私は面接で、

この人と一緒に働けそうか。

何を大切にして仕事をしてきたのか。

これから何をしたいのか。

どんな考え方をする人なのか。

そういったところを見ています。

特に40代・50代では、

これまでの経験だけでなく、

これからどうなりたいのか

を自分の言葉で話せることが大切だと思っています。

採用されることは、

ゴールではありません。

入社してからがスタートです。

だから私は、

面接は「正解を答える場」ではなく、

企業と応募者がお互いの相性を確かめる場

だと考えています。

最初に見るのは「相手と向き合う姿勢」

私が面接で最初に見るのは、

とても基本的なところです。

あいさつ。

第一声。

相手の目を見るか。

質問に対して向き合おうとしているか。

私はこれまで、

こうしたところをまとめて「元気」と表現してきました。

ただ、

大きな声を出せばいい、

という意味ではありません。

私が見ているのは、

相手と向き合って仕事をしようとする姿勢が感じられるか

ということです。

仕事は、

人と人とのやり取りから始まります。

だからこそ、

最初のあいさつや受け答えは、

シンプルですが重要です。

これは、

若手でも、

中堅でも、

ベテランでも変わらないと思っています。

会話では「一本の筋」が通っているかを見る

面接で会話が成立することは、

大前提です。

そのうえで私は、

話に一本の筋が通っているか

を意識して見ています。

これまで、

どんな経験をしてきたのか。

その経験から、

何を学んだのか。

仕事で、

何を大切にしているのか。

将来、

どうなりたいのか。

それぞれの回答が、

その人の中でつながっているか。

そこを見ています。

面接では、

「こう答えれば評価されそうだ」

という耳ざわりのよい回答を作ることもできると思います。

でも、

用意した答えだけで乗り切ろうとすると、

質問の角度が変わったときに、

少しずつ話がぶれてきます。

私は、

同じテーマを違う角度から質問することがあります。

それは、

揚げ足を取るためではありません。

その人の考え方や価値観を知りたいから

です。

だから、

私は面接用の正解よりも、

その人自身の経験からできた価値観を、

自分の言葉で話してほしいと思っています。

時には、

「私はそうは考えていません」

「それは難しいと思います」

と答える場面があってもいい。

意見が違うことより、

なぜそう考えるのかを説明できる方が大切です。

私は、

相手に合わせることより、自分の考えに一本の軸があること

を見ています。

私が考えるエンジニアの市場価値や、コミュニケーション力・論理的思考力については、
「エンジニアの市場価値とは?」
でも詳しく整理しています。

私は「過去」だけでなく「未来」の話を聞きたい

中途採用では、

これまでの経歴について多く質問されます。

もちろん、

私も聞きます。

ただ、

過去の経歴は、

職務経歴書にも書いてあります。

本人も、

準備しやすい部分です。

だから私は、

過去だけでなく、未来の話も聞きたい

と思っています。

これから何をしたいのか。

どんな仕事をしたいのか。

どんな人になりたいのか。

どんな価値を出したいのか。

どんなキャリアを描いているのか。

未来について聞くと、

その人が自分の仕事やキャリアについて、

どのくらい考えているかが見えてきます。

特に40代・50代では、

これまでの経験が十分にあるからこそ、

「これまで何をしたか」だけでなく「これから何をしたいか」

を語ってほしいと思っています。

私の場合、

その未来像がまったく見えてこないと、

入社後にどんな仕事を任せれば本人の希望と合うのか、

判断しにくくなります。

年収を上げたい。

役職を上げたい。

そう考えること自体を否定するつもりはありません。

ただ、

それだけが転職理由の中心だと、

その先で何を実現したいのかが見えにくい。

そのため、

私は慎重に判断します。

50代以降のキャリアを、役職や年収ではなく「どんな人でありたいか」から考えた記事もあります。
50代エンジニアのキャリアプランについてはこちら

分からないときに、どう考えるかを見る

40代・50代になると、

経験も知識も増えてきます。

その分、

「分かりません」

と言いづらくなることがあります。

これは、

私自身にもあります。

でも私は、

正直に「分かりません」と言える人に魅力を感じます。

分からない質問をされたとき、

何とか自分の得意な分野へ話を持っていこうとする人もいます。

すると、

面接官が聞きたかったこととは違う回答になります。

内容そのものは立派でも、

「質問に答えていない」

という印象になってしまいます。

私が知りたいのは、

正解だけではありません。

むしろ、

どう考えて、その答えにたどり着いたのか

です。

最終的な答えが、

「分かりません」

でも構いません。

どこまで理解しているのか。

何を考えたのか。

どこで判断できなくなったのか。

なぜ「分からない」という結論になったのか。

そこを説明してもらえれば、

その人の考え方が見えてきます。

仕事では、

毎回答えが用意されているわけではありません。

だから私は、

知識量だけでなく、

情報をどう整理し、どう考え、どう判断するか

を見ています。

面接は「採用されるための場」ではなく「相性を確認する場」

面接を受ける側からすると、

どうしても、

「採用されたい」

という気持ちが強くなると思います。

でも、

私は採用されること自体を目的にしない方がよいと思っています。

採用されたら、

そこから仕事が始まります。

自分の価値観と、

会社の価値観が合わない。

やりたい仕事と、

会社が期待している仕事が違う。

将来のビジョンと、

会社が用意できるキャリアが違う。

そういう状態で無理に入社しても、

本人にとっても会社にとってもよくありません。

だから、

価値観が合わなかったからといって、

応募者が悪いわけではありません。

単に、

今回はミスマッチだった

ということもあります。

お互い本音で話す。

合えば進む。

合わなければ、

今回はご縁がなかった。

私は、

そのくらいの気持ちで面接に臨む方がよいと思っています。

また私は、

面接を企業が応募者を評価するだけの場だとは考えていません。

応募者にとっても、

その会社を確認する場だと思っています。

自分のやりたいことは、

この会社で実現できそうか。

期待される役割は、

自分の考えと合っているか。

一緒に働く人たちと、

仕事を続けていけそうか。

そうしたことを、

応募者側も確認してよいと思っています。

面接前に準備するなら「自分」と「企業」を分けて考える

40代・50代のエンジニアが、

面接前に何を準備すればよいのか。

私は、

大きく二つに分けて考えるとよいと思っています。

自分については「軸」を作る

まず、

自分自身についてです。

何を大切にしているのか。

どんな価値観を持っているのか。

これから何をしたいのか。

将来どうなりたいのか。

どんな仕事なら力を発揮できるのか。

こうしたことは、

企業ごとに変える必要はありません。

自分の中で、

一本の軸として整理しておく。

そうすれば、

どの企業の面接でも、

自分の言葉で話しやすくなります。

自分の軸は共通です。

企業への志望理由は一社ごとに考える

一方で、

企業については、

一社ごとに考えた方がよいと思っています。

なぜこの会社なのか。

この会社で何をしたいのか。

どんな役割を期待されているのか。

自分の経験をどう活かせそうか。

ここは、

会社によって違います。

面接官になると、

自然とこう考えます。

「なぜ、うちの会社なのだろう?」

どの会社でも言える志望動機だと、

その会社を選んだ理由が見えにくくなります。

大切なのは、

「成長したい」

「理念に共感した」

で終わらせないことです。

なぜ、

この会社なのか。

何に魅力を感じたのか。

自分の経験と、

どうつながっているのか。

この会社で、

何を実現したいのか。

そこまで言葉にできると、

その人の考えが伝わってきます。

つまり、

自分の軸は共通。志望理由は企業ごとに考える。

私は、

この整理が大切だと思っています。

40代・50代だからこそ、取り繕わずに話す

40代・50代には、

これまで積み上げてきた経験があります。

成功したことも、

失敗したこともあると思います。

その経験を通じて、

仕事に対する価値観もできているはずです。

だからこそ、

面接用の正解を作りすぎる必要はないと思っています。

分からないことは、

分からないと言う。

同意できないことは、

理由を添えて自分の考えを話す。

これからやりたいことを、

自分の言葉で話す。

そして、

「なぜこの会社なのか」を本音で伝える。

私は、

そういう人の方が、

一緒に働く姿を想像しやすいです。

まとめ|面接官が見ているのは「この人と未来を描けるか」

40代・50代の中途採用では、

技術力や経験はもちろん重要です。

でも、

私はそれだけを見ているわけではありません。

相手と向き合う姿勢があるか。

会話に一本の筋が通っているか。

自分の価値観を持っているか。

これから何をしたいのか。

分からないことを正直に認められるか。

どう考えて答えを出したのか。

そして、

その人の未来と、

会社の未来が合っているか。

そうしたことを見ています。

採用されるために、

自分を作りすぎる必要はないと思います。

大切なのは、

自分は何を大切にし、これから何をしたいのか。

それを、

自分の言葉で語れること。

そして、

なぜこの会社なのか。

を本音で語れること。

私は面接官として、

最終的には、

この人と一緒に働く未来を描けるか

を見ているのだと思います。

今日の一歩

まず、

自分が仕事で大切にしている価値観を、

3つ書き出してみてください。

次に、

「これからどんな仕事をしたいのか」

を一文にします。

そして、

転職を考えている会社があるなら、

最後にもう一つ。

「なぜ、その会社なのか」

を書いてみてください。

どの会社でも使える文章になっているなら、

もう少し考える余地があります。

面接で話す言葉を暗記することが目的ではありません。

自分の考えを整理し、

自分の言葉で話せる状態にする。

そこから、

面接準備を始めてみてください。