新しい技術を勉強しようと思って始めたのに、途中でやめてしまった。

そんな経験はないでしょうか。

私はあります。

最初は興味を持って始めた。

本も読んだ。

動画も見た。

でも、いつの間にか手が止まる。

そして、

「自分は継続力がないのかな」

と思ってしまう。

でも、今はそうは考えていません。

新しい技術の勉強が続かないのは、必ずしも意志が弱いからではありません。

私の場合、振り返ってみると、

目的が弱かった。

今の自分には難しすぎた。

面白いと思えなかった。

こうした理由がありました。

そして、もう一つ分かったことがあります。

続かないなら、いったん止めてもいい。

ただし、すぐに諦めるという意味ではありません。

止める前に、

  • 目的はあるか
  • 前提知識は足りているか
  • 教材や学び方を変えられないか

を一度確認する。

それでも苦痛が大きいなら、

今は学ぶタイミングではない

と考えて、一度手を引く。

無理に続けて、その技術そのものが嫌いになるくらいなら、その方がいいと私は思っています。

新しい技術の勉強が続かない3つの理由

まず、自分がなぜ続かなかったのかを振り返ると、大きく3つの理由があります。

目的がない

一つ目は、明確な目的がないことです。

何となく、

「今後必要そうだから」

「流行っているから」

「エンジニアなら知っておいた方がよさそうだから」

という理由だけで始めると、私の場合は続きにくいです。

仕事で必要になる。

新しいキャリアに挑戦する。

今の業務を改善したい。

そういった具体的な目的があると、

「今やる理由」

が生まれます。

一方で、目的が弱いと、

「今やらなくてもいいか」

となってしまう。

そして、そのままやらなくなります。

今の自分には難しすぎる

二つ目は、難易度です。

新しい技術を学ぼうとしても、その前提となる知識がないことがあります。

専門用語が分からない。

説明の前提が理解できない。

一つ調べると、さらに分からない言葉が出てくる。

こうなると、勉強そのものが苦痛になります。

難しいことに挑戦することは大切です。

でも、

今の自分と教材のスタート地点が離れすぎている

と、続けること自体が難しくなります。

面白いと思えない

そして、私が何より大切だと思っているのが、

面白い、楽しい、ワクワクする

という感覚です。

興味があるものなら、少し難しくても続けられます。

「これはどうなっているんだろう」

「もっと知りたい」

「自分でも動かしてみたい」

そんな気持ちがあると、自然と次へ進めます。

逆に、必要性だけで勉強していると、どうしても苦しくなることがあります。

私にとって、新しい技術を学び続けるためには、

目的・適切な難易度・面白さ

の3つが重要です。

難しすぎるなら、その技術の「スタート地点」まで戻る

新しい技術書を開いて、

「何を書いているのか、よく分からない」

となったとき。

私はまず、

この本は、どんな人を読者として想定しているのか

を確認します。

技術書には、想定している読者がいるはずです。

初心者向けなのか。

ある程度経験のある人向けなのか。

特定の言語や技術を知っていることが前提なのか。

もし、

「この知識は知っている前提です」

というものがあるなら、まずそこまで戻ります。

新しい技術も、それ単独で存在しているわけではありません。

関連する技術があります。

基礎知識があります。

過去の技術の延長にあることもあります。

だから、いきなり頂上を目指すのではなく、

その技術を理解できるスタート地点まで戻る。

難しい技術にぶつかったら、

「自分には向いていない」

と決めつける前に、

その教材が想定しているスタート地点に、自分が立てているか

を確認するようにしています。

必要な範囲だけ学び、自分に合う教材を探す

前提知識に戻るとしても、周辺技術をすべて学び直す必要はないと思っています。

私はできるだけ効率よく学びたいので、

今の目的に必要な知識に絞る

ことを意識しています。

今の目的に必要なのは何か。

何を知っていれば次へ進めるのか。

どこまで理解すれば十分なのか。

そこを考えます。

すべてを知ることが目的ではありません。

必要な技術を理解し、使える状態に近づくこと

が目的です。

私は、すべてを覚えようとするのではなく、目的から必要な知識を絞るようにしています。年齢や経験に合わせた勉強法については、
「50歳でも新しい技術を学び続ける|20年以上エンジニアを続けて分かった効率的な勉強法」
で詳しく書いています。

また、同じ技術を扱った本でも、分かりやすさはかなり違います。

説明の順番。

例の多さ。

図の使い方。

文章の難しさ。

著者によってさまざまです。

だから私は、1冊読んで分からなかったからといって、

「この技術は難しい」

とはすぐに判断しません。

別の本も見ます。

そして、自分に合うものを探します。

そのときによく利用するのが、図書館です。

図書館なら、関連する本を何冊か借りて比較できます。

無料なので、

「この本は自分には合わないな」

と思えば、無理して最後まで読む必要もありません。

何冊か見比べて、

「この説明なら分かる」

と思える本を見つけたら、その本をじっくり読みます。

教材との相性も、学習を続けるうえでは大切だと感じています。

学んだ技術は「説明・議論・実践」で確認する

本を読んでいると、

「なるほど、分かった」

と思うことがあります。

でも、その状態が本当に理解できているかは、自分だけでは判断しにくい。

だから私は、

他人に説明すること

を一つの確認方法にしています。

その技術について、自分の言葉で説明してみる。

そして、質問してもらう。

質問に答えられるか。

相手が理解できるように説明できるか。

ここで詰まると、

「あ、この部分はまだ自分も分かっていないな」

と気づきます。

私は、

人に説明できて、質問にもある程度答えられることを、理解度を測る一つの目安

にしています。

さらに、可能であれば外部の専門家や有識者と話す機会も作ります。

セミナー。

勉強会。

外部の専門家との打ち合わせ。

そうした場で、

相手が話していることが理解できる。

専門用語が分かる。

質問の意味が分かる。

自分の意見を伝えられる。

そして、相手にも理解してもらえる。

そこまで会話が成立すると、

その分野について議論できる水準には近づいた

という手ごたえがあります。

そして理想は、

業務の一部で小さく試すこと

です。

いきなり大きな仕組みに導入するのではなく、

一部分だけ。

小さな検証だけ。

まず動かしてみる。

実際に使ってみると、本を読んでいるだけでは分からなかったことが出てきます。

ただし、何でも仕事で試せばいいとは思っていません。

現実には、

試す場所がない。

業務に合わない。

会社として使えない。

まだリスクが高い。

ということもあります。

そういうときに無理に使う必要はありません。

今すぐ使えなくても「技術の引き出し」に入れておく

では、仕事で今すぐ使えない技術を学ぶ意味はないのか。

私は、そうは思っていません。

すぐ使えなくても、

技術の引き出し

として持っておけばいい。

将来、その技術を使える場面が来るかもしれません。

仕事をしていると、

「この課題をどう解決しよう」

という場面が出てきます。

そのときに、

「そういえば、あの技術が使えるかもしれない」

と思える。

そして、

「こんな方法もあります」

と提案できる。

周りから、

「そんな選択肢もあるのか」

と興味を持ってもらえる。

そこから実際の検討につながることもあります。

新しい技術を学ぶ価値の一つは、

将来選べる手段を増やしておくこと

だと思っています。

知っているから、選択肢にできる。

知らなければ、そもそも候補に入りません。

仕事では必要なことを優先する。でもワクワクする技術も学んでおく

私は会社員なので、勉強する内容は基本的に仕事を優先します。

仕事で必要なものがあるなら、まずそこを学びます。

ワクワクするからという理由だけで、

仕事と関係のないことを最優先にするのは難しいです。

ただ、私はそれだけでいいとも思っていません。

面白い。

ワクワクする。

使ってみたい。

そう思える技術は、仕事と直接関係がなくても学んでおきたい。

私の場合は、仕事で結果を積み重ねる中で、少しずつ任される範囲が広がってきました。

そうすると、

目的を達成するための手段について、自分で考えられる範囲も広がります。

そのとき、

以前から勉強していた面白い技術が使えると判断できれば、提案できます。

でも、

その技術を知らなければ、そもそも選択肢に入りません。

だから私は、

ワクワクする技術は、仕事に関係なく学んで、引き出しに入れておく。

そして、

使える場面が来るまでスタンバイさせておく。

それが理想だと思っています。

成長は、以前の自分と比べる

新しい技術を学んでいると、

詳しい人がたくさん目に入ります。

自分より経験がある。

知識がある。

難しいことを理解している。

そういう人と比べると、

「自分は全然だな」

と思ってしまうことがあります。

もちろん、他人を見ることで、

自分の現在地を知ったり、

目標にしたり、

必要なレベルを知ったりすることはできます。

でも、

自分の成長を測る基準は、以前の自分に置く。

私はそうしています。

前は分からなかった用語が分かるようになった。

以前なら理解できなかった技術資料が読めるようになった。

専門家の話が分かるようになった。

技術力のある人と会話が成立するようになった。

人に説明できるようになった。

それなら、成長しています。

成長の基準は、他人より詳しいかではなく、以前の自分より分かることが増えたか。

そう考える方が、私は前に進みやすいです。

続かないなら、いったん止めてもいい

それでも、どうしても続かないことはあります。

そんなときは、

いったん止めてもいい。

私はそう思っています。

「続けることは大切ですが、同じ方法を続けることとは違います。英語学習でも、伸びないなら努力の向きを変える必要があると感じました。」
「5年間英語を勉強して分かった『時間をかければ成長する』とは限らない理由」

ただ、すぐに手を引くのではなく、その前に3つ確認します。

目的はあるか

今、本当に学ぶ必要があるのか。

何のためにやっているのか。

目的が曖昧なら、続かないのは自然かもしれません。

前提知識は足りているか

難しすぎるのは、

自分に能力がないからではなく、

スタート地点が合っていないだけかもしれません。

教材や学び方を変えられないか

違う本。

別の動画。

詳しい人に聞く。

小さく触ってみる。

方法を変えるだけで、理解しやすくなることもあります。

そこまで確認しても、

分からない。

苦しい。

面白くない。

という状態が続くなら、

「今はまだ学ぶ時期ではなかった」

と考えて、一度手を引きます。

無理に続けて、

その技術そのものに嫌な感情を持ってしまう方が、私は避けたいです。

止めることと、

諦めることは、

必ずしも同じではありません。

時間を置けば、再挑戦しやすくなることもある

一度続かなかった勉強でも、

時間を置いてもう一度やってみると、以前より理解しやすく感じることがあります。

その間に、

仕事の経験が増えている。

関連する技術を知っている。

専門用語を覚えている。

考え方そのものが身についている。

以前にはなかった知識が、自分の中に増えているからです。

すると、

昔は何を言っているのか分からなかった説明が、

「そういうことだったのか」

と理解できることがあります。

だから、

今分からないことが、未来の自分にも分からないとは限りません。

今はタイミングではない。

それだけかもしれません。

また必要になったら戻ればいい。

そのときには、以前とは違う自分で学び直せます。

まとめ|また戻ってこられる状態でいる

新しい技術の勉強が続かないと、

「自分には向いていない」

「継続力がない」

と思ってしまうことがあります。

でも、その前に確認してみてください。

目的はあるか。

今の自分に難しすぎないか。

前提知識は足りているか。

教材や学び方を変えられないか。

面白いと思えているか。

そして、

本当に今、学ぶ必要があるのか。

私は、新しい技術を学ぶとき、

難しければ前提知識まで戻ります。

必要な範囲に絞ります。

自分に合う教材を探します。

私は同じテーマでも複数冊を比べ、自分に合う本を探すようにしています。先人の経験を借りるための読書については、
「年間130冊読む私が考える『本を読む意味』」
で詳しく書いています。

人に説明します。

専門家と議論します。

できれば仕事で小さく試します。

すぐ使えなくても、技術の引き出しに入れておきます。

そして、以前の自分より理解できることが増えているかを見ます。

それでも続かないなら、

いったん止める。

それでいいと思っています。

大切なのは、

無理に続けて、

その技術を嫌いにならないこと。

今は学ぶタイミングではなかったのかもしれません。

時間がたてば、経験も知識も増えます。

そして、また必要になったときに戻ればいい。

私は、

新しい技術を学び続けるために大切なのは、無理して続けることではなく、また戻ってこられる状態でいること

だと思っています。

今日の一歩

今、途中で止まっている勉強を一つ思い出してみてください。

そして、

「自分は挫折した」

と決める前に、次の3つを確認してみてください。

目的はあるか。

前提知識は足りているか。

教材や学び方を変えられないか。

そのうえで、

今ならできそうなら、10分だけもう一度触ってみる。

まだ難しいなら、必要な前提知識を一つだけ調べる。

今も必要性を感じないなら、きっぱり保留にする。

無理に続けなくていい。

でも、

また学びたくなったときに戻れるようにしておく。

それくらいの距離感で、新しい技術と付き合っていけばいいと私は思っています。